タンチョウの、ふ化しない卵

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偽物抱かせて繁殖防ぐ

タンチョウが3月からずっと抱いていた卵を先日回収しました=写真。この卵は「擬卵」というもので、中には石こうが入っています。なぜタンチョウにこの擬卵を抱かせるかというと、繁殖をさせないためです。

当園で飼育するタンチョウは兄妹であり飼育スペースもないことから、現在は繁殖を行っていません。また、産んだ卵をただ回収するだけだと、メスはすぐに新たな卵を産んでしまい、これを繰り返すと、徐々にメスの体に負担がかかります。

卵を温め続けている間は、次の卵を産まないため、偽物の卵を抱かせていました。この擬卵は昔からさまざまな鳥類の飼育で使われており、動物に負担をかけさせないための方策です。(京都市動物園)

 

京都市動物園の日常や出来事を職員さんがつづります。365日、さまざまな表情を見せる動物たちの毎日をご覧ください。