ハイラックスの健康願い、心を鬼に

毎月の投薬、小さな体で必死に抵抗

当園では過去に、寄生虫によるケープハイラックスの死亡例がありました。現在は、健康管理のため毎月検便を行い、寄生虫を駆除する薬を飲ませています。おなかに寄生虫がいると、十分な栄養を取れなくなるのです。

生後2カ月の「サイ」(雄)も、今月から駆虫を始めました。自分からは口を開けてくれないので、捕獲して飲ませます。小さな体で必死に抵抗し大声で鳴きますが、これもサイのためと心を鬼にして押さえ、注射器で薬を口に注入して、投薬完了です。

手を放すと飛ぶように逃げ、飼育場の隅から不信に満ちた顔でこちらを見てきます。冷たい視線を浴びて、悲しくなりながらも、担当者はサイの健康を願うのでした。(京都市動物園)

 

京都市動物園の日常や出来事を職員さんがつづります。365日、さまざまな表情を見せる動物たちの毎日をご覧ください。