1979年1月3日(水) 国鉄・稲荷駅

日本の正月と言えば「初詣」から始まる。
 京都市内の北部に生まれ育った自分の場合、元日に下鴨神社へ行き、3日に伏見稲荷大社に行くのがパターンだった。商売人でもないのに伏見稲荷大社へ行く理由は、よく分からなかったが。

1979(昭和54)年のお正月も、その定番パターンで過ごしていた。

1月3日の朝、市バスに乗って三条京阪へ行き、そこから鴨川の堤防沿いを走っていた京阪電車で伏見稲荷大社へ向かったのだった。

京阪の最寄り駅から伏見稲荷大社へ向かうには、少し歩くことになる。伏見稲荷大社へ向かう途中、疏水に架かる橋があるが、そこはかつて市電の稲荷駅(停留所)があった所だった。

この当時は、市電時代の駅にあった屋根を延長する形で覆いがあり、そこに窓が設けられていた。(その後、屋根を含めて全て撤去)

2020(令和2)年1月、この市電稲荷駅のあった橋を改修した際、市電時代のレールが出土したことで話題になった。


伏見稲荷大社での参拝を終えた後、帰りは父にせがんで国鉄奈良線を利用することにしていた。

その稲荷駅には、キハ28・58系で編成された臨時列車が停車していた。確か時刻表にも載ってなかった列車で、赤い鳥居と「伏見稲荷」と書かれた小さなマークが掲げられており、京都駅と稲荷駅との間を行ったり来たりしていた。

まだ電化される前だったので、どこか空が広く見え、ホームも低い客車用の高さしかなく、しかも狭かった。
 インバウンドの外国人観光客で恐ろしいほどに賑わい、頻繁に通勤電車の行き交う今から思うと、どことなくのんびりして見える。
 

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京都新聞の撮り鉄カメラマン“カジやん”が、1978(昭和53)年から現在に至るまで、京都を中心に日本全国で撮影した鉄道写真を紹介します。

注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。