1979年1月15日(月・祝) 国鉄・梅小路蒸気機関車館

今では1月の第2月曜日が「成人の日」の祝日であると定められているが、1999(平成11)年までは1月15日が「成人の日」だった。そのため、昭和生まれの自分の人生の中では、まだ1月15日が「成人の日」だった回数の方が多い。
 1月15日が「成人の日」だった当時は、元日から15日までの約2週間が正月の期間だというイメージが強かった。

1979(昭和54)年の1月15日は月曜日で、前日の日曜日と合わせて連休となった。当時はまだ週休2日制なんて全く普及してなかったので、今のように土曜日から月曜日までの「3連休」という概念は無かった。

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この年、国鉄の梅小路蒸気機関車館では、その正月期間に合わせて、館内に展示してあるSL(蒸気機関車)の全てに「日の丸(=日章旗)」が飾られていた。

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「貴婦人」の愛称で親しまれていたC57-1号機には、天皇陛下の乗車する「お召し列車」をけん引するときの装飾が施されていた。
 このときは、まさかこの年の8月から山口線でSLが復活運転されることになろうとは思いもしなかったし、このC57-1に白羽の矢が立つことも予想もしなかった。

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逆に、お召し列車のけん引回数でSLとしては最多記録を持つことで知られるC51-239号機の方には、その装飾が全くされていなかったので、子ども心に変に思えた。

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3シリンダーで独特の走行音がすると教えられていたC53-45にも日の丸が掲げられていた。1961(昭和36)年に一度、当時の国鉄が動態復元した経緯があるらしいが、その後、すぐに静態保存になったらしく、わざわざお金を掛けて動態復元した意味が、今となっては分からない。

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かつて東海道線で特急「つばめ」の先頭に立ち、晩年は北海道で急行「ニセコ」をけん引して人気だったC62-2号機は、今も展示運転をしていて健在だ。

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当時は、梅小路蒸気機関車館にあるSLのうち、静態保存している方が少なく、大半がまだ動態保存されていた。このC11-64号機も、当時は有火状態で、実際、1976(昭和51)年3月に山陰線の京都~二条間の高架化を記念した特別列車をけん引したこともあった。

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大正時代生まれの9633号機も、まだ有火状態だった。

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C58-1号機は、後年に山口線を走るC57-1号機の予備機として整備されて、日本各地へ遠征しての臨時運行もされたが、ボイラーの調子が悪いことなどから、1984(昭和59)年1月をもって運行を終了、以後は静態保存になってしまった。

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C55-1も、まだこの当時は有火状態にあり展示運転することは可能だったはずだが、当時からなぜか展示運転されている姿を見る機会が少ないカマ(機関車)として知られていた。そして、そのまま静態保存になってしまった。

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D51-1もD51-200も、当時は両方とも有火状態にあった。今はD51-200の方が山口線などで走っているが、近年は故障も多いようだ。

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「SL北びわこ号」として長らく活躍していたC56-160号機は、当時も元気で、あちこちに遠征していた。今では展示運転のみとなっているが、まだ現役ではある。

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大正生まれの8630号機は、当時から今に至るまで、展示運転で元気な姿を見せている。車齢は今年で既に109歳を迎えている。

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この日の展示運転は、C62-2号機だった。
 当時、あれだけ有火状態にあったSLたちも、国鉄がJRに変わるときに大幅に「廃車」になってしまい、JRになってから営業している線路を走れるのはC57-1、D51-200、C61-2、C62-2、C56-160の5両のみとなった。(8630は構内運転のみの「移動機械」扱いとして有火状態が保たれている)

その後、D51-200とC61-2、C62-2は構内運転のみになり、本線を走れるのはC57-1とC56-160の2両だけになった。2018(平成30)年にC56-160が本線運転を引退して構内運転のみになったため、交代するかたちでD51-200が本線復帰を果たしたが、C57-1もD51-200も故障が多くなり、近年は山口線でも本来は「SL山口号」であるはずのところを、DL(DD51やDE10重連)がけん引する「DL山口号」で運行する事態となっている。
 でも、そもそもが客車列車の運行が希少な今となっては、SLがDLになっても珍しいことには変わりない。

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京都新聞の撮り鉄カメラマン“カジやん”が、1978(昭和53)年から現在に至るまで、京都を中心に日本全国で撮影した鉄道写真を紹介します。

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