8月末になっても猛暑が続いている今年=2023(令和5)年の夏。年々、明確に平均気温が上がってきており、地球温暖化を実感せざるを得なくなっている。
では、昔は今より涼しかったのかと言えば、そうとは限らない。過去の気象データを調べてみると、昼間の最高気温は、実は今とあまり変わらないのだ。ただ、違うのは朝の最低気温。今では真夏の京都では熱帯夜(=朝の最低気温が25度以上)が続くのが常態化しているが、例えば猛暑だった1978(昭和53)年だと、熱帯夜は今の半分にも満たなかった。
子どもの頃、夏休みになると「勉強(=夏休みの宿題)は朝の涼しいうちにやりなさい」と親に言われていたものだが、それは確かなことだったのだ。
1988(昭和63)年の夏は、天候不順の日が多かった。この年の8月、京都では最高気温が35度を超える「猛暑日」は僅かに2日だけ、熱帯夜も4日しかなかった。
9月に入ると快晴が続き、最高気温も30度を超えていたが、朝の最低気温は20度そこそこの日ばかりで、明らかに秋の気配が漂い始めていた。
暦の上では秋になった9月3日、大阪駅を訪れると、珍客に出会った。JR西日本のジョイフルトレイン「ゴールデンエクスプレスアストル」だった。
キハ65を改造した団体用の車両だったが、たまに「ゆぅトピア和倉」のピンチヒッターとして特急「雷鳥」に併結されることもあった。
福知山線用の非冷房113系には、兵庫県の三田市で、この年の8月31日まで開かれていた博覧会「ホロンピア88」のステッカーが、まだ貼られたままだった。
大阪駅から、大阪環状線から関西線を経由して加茂まで走る直通快速の113系に乗った。天王寺駅で数分の停車時間があり、下車して撮影した。
加茂駅は、よくあるローカル線の駅という感じだった。
駅構内には、売店(キヨスク)があった。
土曜日なので、駅構内には、お昼で授業を終えて帰宅する生徒たちの姿もあった。
駅のすぐ近くにある踏切を訪れた。大阪方面から来る電車は、ここが終着点で、ここから柘植、亀山方面へはディーゼルカーの独壇場になる。
この辺りでは、首都圏色のキハ35系の姿が多く見られた。
奈良と名古屋を結ぶ急行「かすが」も健在だったので、キハ28・58系の姿もよく見られたが、急行ではなく、普通列車として運用されているケースも少なくなかった。
注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。