1988年6月1日(水) 大糸線・簗場駅

鉄道の駅の中でも「臨時駅」というのがあるのををご存じだろうか?
 最近はあまり聞かないが、要は季節限定で営業する駅で、かつては日本全国に点在していた。

長野県を走る大糸線にも、ヤナバスキー場前駅という臨時駅があった。
 阪神タイガースが25年ぶりに優勝した余韻の残る1985(昭和60)年12月、バブル景気の始まろうとする頃にリゾートブームに乗っかってスキー場が近くに出来たことで、そのヤナバスキー場前駅は、当時の国鉄によって臨時駅として開設された。

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大学のゼミの研修旅行で長野県を訪れた時、中綱湖という場所を訪れた。その湖畔に、大糸線の簗場駅があったので訪れてみた。
 この簗場駅の隣にあったのがヤナバスキー場前駅だったのだ。

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大糸線は松本と糸魚川を結ぶ路線だが、松本から途中の南小谷までは電化されていたものの、南小谷から糸魚川は非電化路線だった。そのため、ここを通る電車の糸魚川方面行きは、みな南小谷行きだった。

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運行されている列車の本数が少なく、合間に中綱湖の方へ行ってみた。この日は、あいにくの雨だった。

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見た目では165系か169系か分からないが、珍しく快速列車が姿を見せた。

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超望遠レンズで狙うと、下り勾配で姿が見えなくなっていく様子が撮れた。

このときも団体行動中だったので、是非とも立ち寄ってみたかった臨時駅のヤナバスキー場前駅には行けなかった。
 その後、2016(平成28)年に、駅名の由来となったヤナバスキー場が無くなってしまった。そして、2019(平成31)年3月、ついにヤナバスキー場前駅は廃止になり、姿を消してしまった。

鉄道関連ニュース

京都新聞の撮り鉄カメラマン“カジやん”が、1978(昭和53)年から現在に至るまで、京都を中心に日本全国で撮影した鉄道写真を紹介します。

注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。