1987年9月2日(水) 天王寺駅

1987(昭和62)年、2年前に日本一になった阪神タイガースが、シーズン開幕の4月からずっと最下位に低迷していた。
 3月に主力の掛布選手が飲酒運転で逮捕されたことに始まり、シーズン中に吉田監督と竹之内打撃コーチ補佐が対立して退団するなど、ゴタゴタが続いていたのだった。

夏を迎えた頃には、あれだけ阪神ファンで盛り上がっていた関西も静かになっていた。甲子園球場に足繁く通っていた自分も、すっかり足が遠のいていた。

9月に入り、新学期を迎えた。
 大阪の大学への帰り道、天王寺駅に立ち寄ると、珍客が目に入った。

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配給電車のクモル145+クル144だった。荷台には、車輪がいくつも載っていた。
 その後方には、167系が併結されていた。この配給電車には、なぜかJRのマークがどこにも見当たらなかった。

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その横に、大阪環状線と関西線を経由して大阪と奈良を結ぶ113系の快速が入線してきた。
 この年の8月1日から11月8日までの日程で「天王寺博覧会」が行われており、それに合わせた特製のヘッドマークが掲げられていた。

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バブル景気の真っ只中で、日本各地で博覧会ブームだった当時、この天王寺博覧会も行われた訳だが、その会場だった天王寺動物園とその周辺には多くのホームレスが住み着いていて、この博覧会場の整備の時、ホームレスを排除しようとする行政側との衝突がニュースになっていたりもした。
 しかし、結果として、この博覧会の開催で動物園が整備されたことで、ホームレスの姿が無くなったので、市民からは歓迎する声も上がっていた。

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天王寺から関西線の終着駅である湊町までは、101系の3両編成が区間運転で使われていたが、非冷房の上に、大阪環状線から転属したオレンジ色の車両に、誤乗防止のため「関西線」のステッカーが貼られた状態だった。

鉄道関連ニュース

京都新聞の撮り鉄カメラマン“カジやん”が、1978(昭和53)年から現在に至るまで、京都を中心に日本全国で撮影した鉄道写真を紹介します。

注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。