2019年3月10日(日) D51-200+SL北びわこ号

1995(平成7)年から滋賀県北部の北陸線を季節運行していた観光列車「SL北びわこ号」。主にC56がけん引していたが、時にはC57がけん引することもあり、全国から集まった鉄道ファンや、滋賀県北部の地元の人たちに親しまれた存在だった。

2018(平成30)年5月、C56が本線でのけん引から引退して、その後継機としてデゴイチの愛称で知られるD51が、同じ年の秋からけん引機としてデビューすることになっていた。ところが、2018年の夏に「西日本豪雨」が発生した影響で、秋の運行が見送られ、そのデビューは翌年春まで延期となった。

2019(平成31)年3月、いよいよデゴイチことD51-200号機がデビューする日を迎えたので、北陸線の河毛駅付近へ撮影に出掛けた。

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関西地区で新快速と言えば、短くても8両編成ぐらいをイメージするが、北陸線では4両編成という短さのものが走っていた。

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河毛駅近くの田んぼの中にある道沿いには、カメラの放列が見られた。

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河毛駅にD51を先頭にしたSL北びわこ号が姿を見せた。

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小柄なC56とは異なり、圧倒的に大きく見えた。

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ホーム上には、あふれんばかりに人の姿が見えていた。

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ほどなくして、汽笛の音が辺りに鳴り響いた。こちらもC56とは比べものにならない大きな音量だった。

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白い蒸気を吐きながら、徐々に加速していくが、その力強さは、やはりC56とは比べものにならない感じに見えた。

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C56の時は、5両編成の12系客車を引っ張るの大変そうな感じが見えたが、D51だと逆に物足りなさそうに見えるから不思議である。

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SLマニアというほどではないので、蒸気機関車が走っている光景を見るのは、それほど多くの経験がある訳ではなかったが、よく考えてみれば、D51が本線を走っているのを見るのは、今回が生まれて初めてのことだった。

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この後、5月に年号が平成から令和に変わり、晩秋の11月10日が2019年最後の運行となったが、翌年以降は新型コロナウイルスの流行により、運行の見送りが続くことになった。
 そして2021年5月、JR西日本は「SL北びわこ号」の運行そのものを終了すると発表した。JR西日本によると、客車(12系)が老朽化し、部品が入手困難になるなど維持費がかさんでいたというが、お別れの運行もなく、その幕切れは突然に訪れてしまったことになる。
 SL北びわこ号の運行が続いた約25年間の乗客は、累計で34万人に上るという。

SL北びわこ号の運行は終了したが、今ではSLの試運転で、時折、同じ北陸線の線路で汽笛を響かせながら走る時がある。
 しかし、自分にとっては、SL北びわこ号をけん引するD51の姿は、このときが最初で最後の機会となってしまった。そして、もう4年の月日が経ってしまった。
 

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京都新聞の撮り鉄カメラマン“カジやん”が、1978(昭和53)年から現在に至るまで、京都を中心に日本全国で撮影した鉄道写真を紹介します。

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