1986年3月29日(土) 長崎線・多良-肥前大浦

1986(昭和61)年の3月末、友人たちと九州へ撮影旅行に出掛けた。あちこちに立ち寄った末、撮影場所として最後に行ったのは、佐賀県の長崎線にある多良-肥前大浦駅の有名な撮影ポイントだった。
 普通電車で多良駅にて下車したが、撮影場所までは遠く離れていたため、タクシーで移動した。

山手を通る旧道沿いには、いくつもの撮影スポットがあった。

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485系の特急「かもめ」がやって来たが、先頭の非貫通型クハ485-300のヘッドマークが、なぜか貫通型のクハ485-200用が使われており、左右に余白が出ていた。

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485系の特急「かもめ」は頻繁に姿を見せたので、京都近辺で見る特急「雷鳥」のような感じがした。
 その後、山に上って撮影アングルを変えた。

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ED76を先頭に、東京発、長崎行きの寝台特急「さくら」が姿を見せた。

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また485系の「かもめ」がやって来たが、撮影ポイントの近くに踏切がある理由でもないので、まさに列車が突然、姿を現すため、毎度慌ててシャッターを切る感じだった。

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白い冷凍コンテナを積んだ貨物列車も通過して行った。

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東京発、長崎行きの寝台特急「みずほ」が姿を見せた。食堂車やA寝台などを組み込んだメインの編成は熊本行きなので、長崎行きは短い6両だけの付属編成だった。

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余った583系寝台特急電車を改造した、715系普通電車も行き交っていた。かつて、10両以上の編成で走っていた特急用の車両が、僅か4両編成になり、しかも中間車を改造した食パンみたいな断面の先頭車の姿が、どこか哀れに見えた。

撮影を終えて帰ろうと思ったものの、帰りの交通手段が無いことに気付く。路線バスも走ってない時間帯で、当時は携帯電話もスマホも無かったのである。
 近くに人家も無かったため、歩いて駅に戻ることにしたのだが、かなり時間が掛かった。

やっとの思いで、駅に戻った頃にはお腹が空いてたまらなかったが、駅に売店は無かった。まだコンビニも無い時代である。
 駅の近くに雑貨屋があったが、置いてある食料は食パンと缶詰ぐらいしかなかった。

仕方ないので、食パンとサバの缶詰を購入したが、その食パンが「賞味期限切れ」だったので驚かされた。それでも貴重な食料であることに変わりなく、缶詰の「みそ味のサバ」をパンにのせて食べながら、帰りの電車が来るのを待った。

京都新聞の撮り鉄カメラマン“カジやん”が、1978(昭和53)年から現在に至るまで、京都を中心に日本全国で撮影した鉄道写真を紹介します。

注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。