関西の鉄道の大動脈である東海道~山陽線は、草津-西明石間で複々線となっており、一部を除いて方向別になっている。複々線の4本の線路が、それぞれ左右2本ずつ同じ方向に列車が走っているのだが、全国的に見ると実は珍しい形態ではある。関西に住んでいると、それが当たり前だと思うのだが、関東に行くと方向別よりも路線別になっている場所の方が多い。
そんな方向別の複々線では、線路と線路の間にある「島式」ホームの端っこは、絶好の撮影ポイントになるので、特に見晴らしが良かったり、ホームの先がカーブになっている場所は、鉄道ファンの撮影スポットとして人気があった。
東海道線の岸辺駅も、そんな撮影スポットの一つだった。ここは上り線側が下り勾配になっており、下り線側はカーブになっていた。
岐阜から高山線に乗り入れるキハ58系の急行「たかやま」も元気に活躍していた。
関西と北陸を結ぶ特急「雷鳥」は、同じ485系でも先頭車がボンネット型と貫通型、非貫通型の3種類あり、他にも489系や583系が走っているなど、かなりバラエティに富んでいたが、583系を除き、どれも国鉄特急色であり、上りと下りで少なくとも毎時2本も姿を見ることが出来たのと、走っている本数が多かったので「見飽きた」存在でもあった。
583系も、本来の用途である夜行列車として、関西と九州を結ぶ特急に使われていたが、大阪と新潟を結ぶ夜行の急行「きたぐに」にも使用が始まっていた。後年、ヘッドマークは絵入りで愛称名が入ったものになったが、この当時は単純に赤字で「急行」と書かれているだけだった。
先の「雷鳥」と「きたぐに」は、北陸から上り列車として大阪まで行った折返しなので、まだ先頭車には雪が付着していた。
下り線ホーム側に行くと、青森から大阪に向ってラストスパートしている寝台特急「日本海4号」がやって来た。敦賀駅で機関車を付け替えているためか、他の上り「きたぐに」や「雷鳥」のように雪が付いてなかった。
注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。