働く車両(事業用車)

鉄道には、お客さんや荷物・貨物を乗せる・載せる車両の他に、業務用の車両「事業用車」というものが存在する。
 規模の小さな地方私鉄ならともかく、国鉄→JRのような大きな鉄道会社では、その種類も多いが、時代の変化と共に姿を消してしまったものも少なくない。

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工場に入退場する電車を運搬する際に使われるのが、牽引(けんいん)車と呼ばれる車両で、1両で先頭に立つケースもあれば、写真のように3両といった複数で使われるケースもある。車両を示す記号は「ヤ」で、写真の車両はクモヤ90形だが、「ヤ」は事業用車全般を指しており、他の用途にも「ヤ」が使われるケースがある。(写真は1984年3月29日撮影、東海道線・神足-山崎)

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線路の幅など、線路の状態を走行しながらチェックするのが軌道検測車で、こちらも「ヤ」が使われており、写真の車両はマヤ34形である。(1980年9月14日撮影、京都駅)

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車両が所属する機関区や電車区、運転所に部品を配送する車両が配給車で、まるでトラックのように運転台の後ろが荷台になっているのが特徴的だ。車両を示す記号は「ル」になり、写真の車両はクモル145+クル144系である。(上写真は1984年2月19日撮影・天王寺駅、下写真は1987年1月4日・東海道線・山崎-高槻)

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鉄道事故が起きた際、けが人の救援に駆け付けるのが、その名も「救援車」だ。車両を示す記号は「エ」で、写真の車両はスエ78形である。(1986年11月22日撮影、竜華操車場)

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鉄道建設や、事故や災害の復旧作業などに使うクレーンを搭載した車両が「操重車」である。車両を示す記号は「ソ」で、写真は事故復旧用のソ30形である。(1986年11月22日撮影、竜華操車場)

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貨物列車の最後尾に連結され、車掌が乗り込んでいたのが「車掌車」である。車両を示す記号は「ヨ」で、写真はヨ5000型である。(1986年11月22日撮影、竜華操車場)

他にも事業用車はあるが、以上の写真で紹介したものは、その殆どが姿を消してしまっている。操重車や車掌車は、もはや保存車でしか見ることが出来ない。又、救援車は、専用車両が無くなり、今では元々が荷物車や貨車だったりした車両を「代用」として指定しているケースばかりになってしまった。

京都新聞の撮り鉄カメラマン“カジやん”が、1978(昭和53)年から現在に至るまで、京都を中心に日本全国で撮影した鉄道写真を紹介します。

注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。