1979年2月12日(月・振替休日) 北陸線・新疋田-敦賀

1979(昭和54)年2月、小学校の同級生たちと日帰りではあるが遠方まで撮影で初めて「遠征」することになった。
 行き先は、当時の鉄道雑誌で何度も紙面を飾っていて、ファンの間に撮影の好ポイントとして知られていた、北陸線の新疋田-敦賀にあるループ線近くである。

市電が廃止になって4ヶ月が過ぎ、京都駅へのアシは市バスに変わった。一年で最も寒い時期、まだ日の出前の暗い時間帯に友人3人と待ち合わせて、始発の市バスに乗って京都駅へ向かい、京都駅からは東海道線の米原行きに乗った。

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米原駅で北陸線に乗り換える時、構内に真っ黒な除雪車キ100の複線型が留置されているのが目に入った。米原駅構内には積雪は無かったので、出番を待っているといったところだろうか。

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旧型客車で編成された普通列車(1247レ)に乗り込む。米原から田村駅まではDE10のけん引で、田村駅でEF70への機関車交換がある。窓から前方を見るとEF70が何両も待機していて、その中には珍しい一つ目の初期型も見えた。

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ここで、カラーフィルムに詰め替える。その間、今までに先頭に立っていたDE10が切り離され、次第に視界から遠ざかって行った。
 その後、無人駅の新疋田駅で下車。あらかじめ地図で調べておいた撮影ポイントへ向かって歩き始めるが、何せ初めての場所であり、小学生4人の知恵では当然のことながら道に迷った。

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何とか目的の場所に到着すると、列車の接近を知らせる警報音がして、すぐに大阪行きの上り寝台特急「日本海」がやって来たが、慌ててカメラを構えたので間に合わず、後ろしか撮れなかった。

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475系の急行「ゆのくに」や485系の特急「雷鳥」など、相次いでやって来た。後方に見える山の上の方は、うっすら雪が積もっていたが、天気が良かったこともあり、みるみる解けていった。

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この日、初めて485系の特急「しらさぎ」を目にした。米原から名古屋へ向かうので、京都では見ることが出来ないが、ヘッドマークが違うだけで、見た目は概ね「雷鳥」と同じではあった。

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普通列車は、大半が旧型客車で、どれもEF70が先頭に立っていたが、米原経由の貨物列車もみなEF70だった。一般貨物の列車は大半が2軸貨車で、独特の規則正しい「ドンドンドンドン」という、レールの継ぎ目を通る時に発生する通過音が印象的だった。時々、白い冷凍車も混ざっていた。

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ただ、北陸線はEF70ばかりかと言えば、そうでもなく、近江塩津から湖西線経由で大阪へ向かう貨物列車はEF81が先頭に立っていた。コンテナ専用の貨物列車を除く、いわゆる一般貨物列車の編成はバラエティに富んでいて、この写真のように2軸貨車に混じって、編成の後方にコンテナ車が固まり併結されているシーンは、今では見られない光景だ。

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なけなしのカラーフィルムが尽きたので、再びモノクロフィルムに詰め直したところで、キハ58系で編成された急行「ゆのくに」が通過していった。当時、急行「ゆのくに」は大半が475系だったが、1本だけ気動車で編成されていて、金沢から先で非電化の七尾線の方へ乗り入れているものがあった。

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この当時、特急「雷鳥」は12両編成、急行「ゆのくに」「立山」は10両編成というのがスタンダードだった。「雷鳥」の方はグリーン車も2両連結されていたり、食堂車まであった。急行の方も、少し前までビュッフェ車が連結されていた。
 普通列車も、郵便車や荷物車を併結した10両ぐらいの編成が多かった。

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475系の急行「立山」を流し撮りで撮ってみた。ただ、こういうことをするのは「見飽きてきた」ときの行動でもある…。

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帰りに新疋田駅で、475系の急行「くずりゅう」を、これまた流し撮りで。この日は天気が良く、この頃には、とても2月とは思えないようなポカポカ陽気に包まれていた。

残念ながら、この新疋田の撮影ポイントも、時代の流れの中で、今では撮影することが不可能となり、もはや過去のアルバムでしか見ることが出来なくなった。撮影から40年もの月日が経ち、その長さを実感させられる。

京都新聞の撮り鉄カメラマン“カジやん”が、1978(昭和53)年から現在に至るまで、京都を中心に日本全国で撮影した鉄道写真を紹介します。

注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。