1978(昭和53)年2月12日の日曜日、その日は朝から京都駅へ撮影に出掛けたが、フィルムが余っていたので、帰宅後に自宅近所を走っていた市電を撮りに出掛けた。

このとき、既に9月30日をもって市電が全廃されることが決まっており、残り半年余りという時だった。

当時の電停(=電車停留所)に掲げられた時刻表を見ると、昼間の時間帯でも、2系統合わせて1時間に8本も運行されている。これは、今の市バスよりも本数が多いかもしれない。

市電が来る度、お客さんが10人前後は乗り降りしていた。そう考えると、けっこう利用者がいたように思う。

冬の夕暮れは早い。暗くなってきたので、流し撮りで撮影した。

洛北高校前の交差点だが、よく見ると、市電の横にクルマが直進と右左折を合わせて3列で並んでいる。市電の分を合わせたら4車線分あるようにも見えるが、同じ北大路通で今、4列もクルマが並ぶだろうか。そう思うと、当時のクルマは車幅が狭かったとも言えるが、そうは言っても、1台につき10cmも変わらないはずなので不思議である。
撮影したフィルムを早く現像に出したかったものの、余っている分を撮影しておかないともったいない、と思って撮った市電の写真だったが、これも40年が過ぎた今、とても貴重なものとなった。もちろん、小学生の当時は、よもやそんな風になるとは思わず、シャッターを切っていたのだった。
注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。