11月にある2つの祝日のうち、23日の「勤労感謝の日」の頃、京都市内は毎年のように紅葉を愛でる観光客で大混雑するが、それは今も昔も変わらない。
が、人の数で言えば、京都に生まれ育って50年を過ぎた自分の感覚では、倍以上に増えたように思える。昔も確かに混んでいたが、今ほどではなかったように思う。
1987(昭和62)年11月の「勤労感謝の日」は、原付きバイクに乗って叡山電鉄を撮りに出掛けた。

二ノ瀬駅で待っていると、単行のデオ200型が姿を見せた。
後ろに見える北山の山々は、杉林が主体なので青々としていたが、所々にある広葉樹が色付いていて、まだら模様になって見えていた。

二ノ瀬駅のホーム横には、1本のモミジの木が植えてあり、真っ赤に色付いていた。
この木は今もあり、30年以上が経った今、一回りも二回りも大きくなっているのだが、電車と木の間にあるホーム上に待合室が出来たため、当時のような「電車と紅葉」のシンプルな風景は失われた。

この日はデオ200型の単行ばかりだったが、今ではこの区間で単行の電車は殆ど見ることが出来なくなった。

今でこそ、市原駅と二ノ瀬駅の間に「紅葉のトンネル」なるものがあって観光客に大人気だが、当時はもちろん、そのようなものは無かった。

帰り際に木野駅付近でデナ21型を撮影する。当時は今と駅の位置が異なり、府立北稜高校のすぐ横にホームがあった。
注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。