1982年8月18日(水) 東海道線・東戸塚-保土ヶ谷

小学生4年の時から一人旅を始めた自分だったが、中学生になってからは泊まりがけ(=主に座席の夜行列車利用)で遠くまで行くようになった。
 よくも家出少年に間違われなかったなとか、事件に巻き込まれずに済んだな、と振り返る一方で、それを許可した両親も凄いなと思う。

1982(昭和57)年の夏休みは、関東方面への遠征だった。「青春18きっぷ」を使い、京都から普通列車を乗り継いで、岐阜県の大垣駅から東京行の夜行鈍行列車に乗り込んだ。
 東京到着は午前4時半頃で、そこから始発電車に乗って東海道線を折り返し、横須賀線に乗り継いで東戸塚駅で降車した。目的地は、撮影地として有名な「東戸塚の大カーブ」だった。

ところが、何せ初めて行く場所な上に、当時は撮影ポイントを紹介した情報も殆ど無く、経験も浅かったことから、具体的にどこが良い場所なのか、どこが撮影ポイントなのかを見極めるのが難しかった。
 あれこれ迷っているうちに、次々と上り東京行きのブルートレインが目の前を通過していく。

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高松発、東京行きの「瀬戸」と、出雲市発、東京行きの「出雲」が相次いで目の前を通過して行った。

そうこうしているうちに、線路沿いでカメラを構える親子連れの姿を見つけたので、隣に入らせてもらった。結局、大カーブとは違う場所での撮影になってしまった。

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最も通勤で混み合う時間帯になると、しばらくブルートレインは来なくなる。元から、そういう時間帯を避けるダイヤが組まれていたためだ。
 折しも真夏の暑さ、近くでミンミンゼミが大合唱していたが、周りは雑木林だった。樹液の独特な匂いもするので、これは間違いなくクワガタやカブトムシが居る筈と思い 近くの林に分け入ってみると、すぐにノコギリクワガタやコクワガタの姿を見つけた。
 何匹か捕まえて、先ほどの親子連れの所へいき、小学生の子どもにプレゼントすると、「こんなところにいるの!?」「デパートでしか見たことがない」などと言われ、たいそう驚かれた。

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その後、博多発、東京行きの「あさかぜ」や、珍しい冷凍車ばかりの貨物列車、さらには臨時急行「銀河」を牽引するEF58などがやって来た。
 ところが、一緒に写真を撮っていた親子連れは、そんなことよりもクワガタの方が気になるらしく、撮影の合間にも捕獲方法や飼育方法を盛んに尋ねてきたのだった。結局、その後は写真撮影よりもクワガタ捕りになってしまったが、それも良い思い出になった。

京都新聞の撮り鉄カメラマン“カジやん”が、1978(昭和53)年から現在に至るまで、京都を中心に日本全国で撮影した鉄道写真を紹介します。

注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。