大阪や京都と、福井や石川、富山の北陸方面とを結ぶ特急と言えば、今でこそ「サンダーバード」だが、少し前まで「雷鳥」が定番だった。
その「雷鳥」も、かつては国鉄時代から特急の象徴だった「ボンネット型」の先頭車が数多く活躍していたことで、鉄道ファンの間ではよく知られていた。
↑1982年3月25日・京都駅
1982年の秋から翌83年にかけて絵入りマークに変わったが、それまでは「雷鳥」という漢字の書かれたヘッドマークが先頭車に掲げられていた。
ただ、その「雷鳥」の漢字の下にあるローマ字に「RAICHŌ」と「RAICYO」の2種類あったことを知る人は、それほどいなかったように思う。
↑1978年1月16日・京都駅、「RAICYO」バージョン
↑1978年8月26日・神足-山崎、「RAICHŌ」バージョン
↑1978年4月23日・大阪駅、「RAICHŌ」バージョン
絵入りマークになってからは、ローマ字の表記が無くなったので、そんな違いは解消してしまった訳だが、今ほど情報が飛び交ってなかった当時は、「H」と「Y」の違いは車両の所属区が違うからではないかと、色々な説が囁かれていた。
ちなみに、「RAICHŌ」表記の方でも、「O」の上に長音を示す「-」が入ったものと、何も無いものがあった。そんな細かい違いも、マニアックな鉄道ファンたちの楽しみの一つだった。
↑1978年5月28日・京都駅、長音記号の無い「RAICHO」バージョン
↑1978年8月26日・神足-山崎
他にも、ボンネットの上の左右にある赤い「ヒゲ」が無い車両もあった。
注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。