1986年6月2日(月) 京都駅

平成時代も、残り1年を切ってしまったが、まだ時代が昭和だった頃、京都市内にある小学校の修学旅行先と言えば、8割近くが伊勢・志摩方面だった。
 大阪や兵庫でも伊勢・志摩へ向かう学校があった。が、京都市内の小学校の多くが近鉄を使って行っていたのに対し、大阪や兵庫からだと、当時の国鉄で団体臨時列車(=いわゆる修学旅行専用列車)を編成して奈良や伊勢・志摩方面へ向かっている学校が少なくなかった。

新年度に入り、入学式などが終わって一段落した頃から修学旅行シーズンが始まり、多くは6月中旬までに出掛けていた。
 1986(昭和61)年6月の初旬、30度を超える暑さの日、京都駅の1番ホームで撮影していると、次に団体列車が入線しますというアナウンスがあった。

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ホームの東端に行ってみると、当時あった機関車の待機場所にDD51が止まっていた。非電化の草津線から関西本線を経由して鳥羽方面へ向かう列車や、同じく非電化の奈良線経由で奈良方面へ向かう列車は、京都駅で機関車を付け替えていた。

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間もなく、EF65PFが牽引する団体列車が入線してきた。

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機関車が取り外されると、「おもいで 伊勢・奈良」と書かれたヘッドマークの付いた12系が姿を現した。

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機回し線からDD51がやって来た。

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機関車交換の様子を、乗車していた修学旅行の小学生が興味深そうに見守っていた。

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客車にはヘッドマークが付いていたが、機関車には何も無く、少し寂しく感じられた。

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修学旅行専用列車が出発し、京都駅1番ホームにしばしの静寂が訪れた。
 特徴的な大きな屋根は、今でも京都鉄道博物館に移設されて見ることができる。

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当時のホームには電光表示などは無く、入り口を示す場所には、列車名を明記した看板がいくつもぶら下がっていた。基本的に貸し切りの団体列車でないと入線しないであろう、「サロンカーなにわ」の乗車位置を示す看板まであるのが不思議だ。

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向かいの2番ホームに、(回送電車ではあるが)珍しく103系が入線してきた。しかも、今では見られない非冷房車だ。

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この頃、昼間は主に北陸方面の優等列車が発着する京都駅1番ホームに、珍しく山陰線の特急「あさしお」が入線することもあった。

鉄道関連ニュース

京都新聞の撮り鉄カメラマン“カジやん”が、1978(昭和53)年から現在に至るまで、京都を中心に日本全国で撮影した鉄道写真を紹介します。

注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。