京都府南部にある京田辺市と言えば、近年、京都や大阪のベッドタウンとして開発が進み、大規模な住宅団地が出来て、人口も増えている。だが、自分が大学生の頃は、市制が施行される前の京都府田辺町という小さな自治体で、まだまだローカルな雰囲気が残されていた。
国鉄がJRに変わる直前の1987(昭和62)年3月末当時、田辺町の中心地にある国鉄片町線の駅は、「田辺駅」だった。ちなみに、隣りにある近鉄は「新田辺駅」で、それは今も変わりない。
この頃は、2両編成のディーゼルカーが、朝夕のラッシュタイムでもなければ、せいぜい30~40分に1本とかで走っているようなローカル路線だった。
この日も、両側デッキで室内にクロスシートが並ぶ急行形のキハ28と、両開き3扉でロングシートの通勤型であるキハ35という変な組み合わせの2両編成が走っていた。
撮影したのは、朝の通勤・通学時間帯だったが、車内もそれほど混んでなかった。一部で並行して走る路線でもあり、4~6両編成で走っている近鉄京都線の混み具合とは、全く比較にならない感じだった。
この写真を撮った2年後の1989(平成元)年に電化され、10年後の1997(平成9)年には市制施行で京田辺市になるのを前に駅名が「京田辺駅」に改称された。
今では、乗降客は2倍以上に増えて、7両編成の電車が行き交うようになった。
注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。