1986年11月22日(土) 竜華鉄道フェア

国鉄時代の末期、日本各地の機関区や電車区などで、盛んに撮影会が催された。
 当時、友人の父が国鉄職員だったので話を聞いていたが、分割民営化が決まっていた国鉄の中でも、最後までそれに反対し、抵抗している人たち(主に労働組合)がいて、そういう人たちが、少しでも国民向けにアピールすべく、そのような催しを行っていたという。

そんな中で、1986(昭和61)年11月22日、大阪の旧竜華機関区で「竜華鉄道フェア」なる催しがあるということで、友人たちと出掛けた。
 その竜華機関区は、特に予約しなくても見学・撮影を許可してくれるフレンドリーな所でもあったが、1986(昭和61)年の10月31日をもって、隣接の操車場ともども廃止になってしまった。

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貨物列車で賑わっていた広いヤードは、既に大半が使われておらず、役目を終えた車両があちこちに留置してあった。

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出庫する機関車などで賑わっていた場所も、機関区の構内も、架線が取り払われていて、どこか哀れさを感じた。

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EF58の中でも(お召し列車用の61号機を除いて)最後まで残った大窓機だった66号機も、そんな架線も無い構内に留め置かれていた。

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紀勢本線や阪和線で活躍していた、EF15の158号機も展示されていた。このEF15 158号機は、JR化後に、JR西日本における動態保存機となったEF58の150号機を運行し続けるにあたって、その部品取り車になったといい、今も大阪の宮原総合運転所で保管されているという。(注*EF58とEF15は同時期に製造された「兄弟機」で、共用部品が多かった)

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元ブルートレインけん引機のEF60 503(左)も、なぜかJR化後まで継承されて、長く大阪の宮原総合運転所に保管されていたが、特に有効活用されることもなく、2008(平成20)年11月に解体されてしまった。

このように廃車になっても解体されることなく、どこかで保管され続ける「保管車両」は、国鉄であった当時は、所管する鉄道管理局のトップの個人的な意向などで、あちこちで見られた。国鉄の当時は、車両は国有財産なので、使いみちが無くなって廃車になれば、鉄屑として転用するのが当たり前だった中で、「鉄道文化財」という価値を見出して保管するということは、ごく限られた事例ではあった。

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日根野電車区に所属していたクモヤ90も、なぜか展示してあった。廃車が前提で留置してあったのだろうか。

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このときのイベントの目玉は、DD51型ディーゼル機関車の「体験操縦」だった。
 使われなくなった竜華操車場の構内で、一般の人が実際の機関車を操縦することができるという催しで、このときは友人たちと一緒に体験した。

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今でも、こういった鉄道車両の体験操縦ができる場所はいくつかあるが、国鉄が主催してやることに大きな意味があった。
 きっと、今のJRでは出来ないことだろうし、何より国鉄だったので、その料金が格段に安く、貧乏学生の自分でも容易に応募することができた。

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体験操縦が終わると、実際に機関車を運転したことを証明する「証明書」まで頂いたのだった。

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