ゴーラルの顎の腫瘍

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餌工夫、最後まで食欲旺盛

日本で最後のゴーラル・ホンホン(雌18歳)=写真=が息を引き取りました。今年4月末から左顎の腫れが目立ち始め、検査の結果、悪性腫瘍であることが判明しました。腫瘍が顎の筋肉に広がっており、手術で摘出すると餌が食べられなくなると判断し、摘出を断念しました。腫瘍が大きくなるにつれ奥歯がかみ合わないようになってきたため、餌を蒸したりふやかしたりして、少しでも食べやすいよう工夫しました。

そんな状態でもホンホンの食欲は衰えることがなく、見た目と違い毎日元気に過ごしていました。ところが10月半ばに突然状態が悪化し、立つこともできなくなりました。これ以上の延命は苦痛が強いと判断、安楽死を選択しました。最後まで力強く生きてくれたホンホン。治療から学んだ事を、今後に生かしたいと思います。(京都市動物園)

京都市動物園の日常や出来事を職員さんがつづります。365日、さまざまな表情を見せる動物たちの毎日をご覧ください。