キツネの衣替え

写真

細い尻尾に春の訪れ実感

ホンドギツネのキョウ(オス、年齢不明)は今、全身の毛がボソボソと抜け落ち、毛並みが悪くなっています=写真。特に尻尾はキツネのイメージとはかけ離れ、驚くほど細くなり、来園者からは時々「病気ですか?」と心配されますが、これは病気ではなく換毛、つまりキツネの“衣替え”なのです。

キツネは冬の間、硬い上毛の下にフワフワの下毛を生やし、ダウンジャケットのように上毛の下に空気の層を作ることで、寒さから身を守ります。そして春になると、この2層からなる冬毛は抜け落ち、上毛だけの夏毛に生え替わるのです。毎年この時期、細くなったキョウの尻尾と、散乱する毛玉を見て、担当者は春の訪れを感じます。(京都市動物園)

 

京都市動物園の日常や出来事を職員さんがつづります。365日、さまざまな表情を見せる動物たちの毎日をご覧ください。