1986年5月28日(水) 近鉄・西大寺検車区

京都の自宅から大阪府南部にある大学に通っていた頃、いつも乗っていたのが近鉄である。
 京都駅から真っすぐ南下して、奈良・西大寺を経由して橿原神宮前で南大阪線に乗り換え、今度は西に方向を変えて二上山を左手に見ながら山を越えて大阪へ…それこそ、毎日ちょっとした旅行に出掛けているようなもので、実に一日に合計5時間近く列車に揺られる時間があった。

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1986(昭和61)年5月末、城陽から一緒に通っていた同級生がアルバイトしている新田辺駅前に立ち寄る。その新田辺で急行・橿原神宮前行きを待っていると、向かいのホームを京都行きの特急が通過していった。この頃は、特徴的な顔をしている18200系の姿をけっこう見たものだった。

西大寺駅で下車して、いつも車窓から眺めていた西大寺検車区まで歩いて行く。

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構内の外れに「11」の車号のある、見るからに古そうな電車が止まっていた。旧2250系特急車の生き残りで、この頃には電動貨車モワ11となっていた。その後、1998(平成10)年まで検査で回送する電車のけん引車として活躍していた。

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「湘南型」の2枚窓が特徴的な800系も2編成が止まっていた。

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かつては京都と橿原神宮前を結ぶ急行でも数多く走っていた800系だったが、2扉が災いして、この頃にはローカルな田原本線の方に活躍の場を移していた。

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近鉄に買収される前に京都と奈良を結んでいた奈良電気鉄道(通称:奈良電)の生き残りである400系のク309+モ409の2両編成も、まだ健在だった。こちらも「湘南型」の2枚窓デザインだったが、元々が15m級の小さな車体であり、活躍の場だった田原本線も800系の入線により、既に出番を失っていて、もっぱら西大寺駅と検車区との間の職員輸送で働いていることが多くなっていたようだ。

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修学旅行生専用の20100系「あおぞら」号の姿も見えた。

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再び西大寺駅に戻ると、8000系の仲間では珍しいアルミ車体の編成が姿を見せた。角張ったデザインが特徴的なアルミ車体の試作車で、4両1編成しかない珍しい存在だったが、2005(平成17)年に廃車になった。

京都新聞の撮り鉄カメラマン“カジやん”が、1978(昭和53)年から現在に至るまで、京都を中心に日本全国で撮影した鉄道写真を紹介します。

注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。