1986(昭和61)年の2月、阪和・紀勢線で最後の活躍をしていたEF58とEF15が引退することになり、その「さよなら列車」が2月の週末に何度か運転されることとなった。
最終運行の時は和歌山へ遠征することにしていたが、その前の運行日は、大阪に近い場所へ行くことにして、阪和線杉本町駅近くの大和川橋梁で撮影することにした。

この日は、朝イチに東海道線岸辺駅で撮影をしてからの移動だった。現場に着いてすぐ、EF60重連の貨物列車が鉄橋上で103系普通電車とすれ違った。

この日は寒く、河川敷から吹き付ける冷たい北風に震えながら待っていると、ようやくEF58-66号機がけん引する「さよなら列車」が姿を見せた。
その後、帰り道、大阪駅へ立ち寄る。

まだ当時は郵便荷物電車が走っており、クモニ83やクモユニ143といった電車の姿をよく見掛けた。

583系は、夜行寝台特急よりは、昼間の特急「雷鳥」の方で、よく見掛けたが、背もたれが動かず、向かいわせのボックスシートなので、お客さんには不評だったようだ。

ホームの端には、ほぼ役目を終えていたEF58-150がヘッドマークを掲げて留置してあった。

反対側のヘッドマークは、デザインが異なっていた。
この後、このEF58-150号機が、翌月に国鉄がJRになるのを機に、見慣れたブルーから茶色に塗り替えられて大復活を遂げるとは、このときは知る由もなかった。
注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。