東京と神戸を結ぶ東海道線には、各地に名撮影ポイントがあるが、関東方面で有名な所に「白糸川橋梁」がある。
すぐ隣に「根府川駅」があるので、根府川の鉄橋と呼んでいる人もいるが、正確には白糸川橋梁と言う。1923(大正12)年9月1日の関東大震災で倒壊し、翌年に建て直された立派なワーレントラスと呼ばれる構造の橋梁が現在のものである。
1983(昭和58)年の夏休み、その白糸川橋梁の撮影ポイントを初めて訪れたが、いつものように初めて行く場所なので、ここでもどこが良いポイントなのか分からずに右往左往している間に、次々と東京行きのブルートレインを見送る羽目になった。
たまたま東京の方から訪れていた人に案内して頂けたが、海をバックにしたポイントに行くには1時間ぐらい掛かると言われたので、時間が無いこともあって、無難に線路に近いポイントに入ったのだった。
朝とはいえ、真夏だったので、猛烈に暑かった。海に近いとはいえ、それほど風が吹いている訳でもなく、周辺ではセミの大合唱。
当時、2本あった定期列車の寝台特急「あさかぜ」に続いて、古い20系で編成された臨時の「あさかぜ52号」も姿を見せた。
その20系「あさかぜ」と瓜二つの姿だった寝台急行「銀河」も走っていて、これまたオール座席車で編成された臨時の急行「銀河52号」も初期型のEF58に引っ張られて姿を見せていた。
今から考えると、当時はまだまだ夜行列車がいっぱい走っていて、それなりに利用者もいた時代だった。
この白糸川橋梁は、その後、橋そのものが赤くなり、両側に車両の屋根と同じぐらいの高さのフェンスが設置されたことと、時代の変化で線路に近い撮影場所には入れなくなったこともあって、このときに行ったポイントは今では撮影に適さなくなってしまった。
注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。