1986年7月28日(月) SL大和路号

1986(昭和61)年の夏休み、「あなたとなら大和路キャンペーン」の一つとして、奈良県内を走る国鉄・桜井線で、SL=蒸気機関車の臨時列車「SL大和路号」が運転されることになった。
 この時、当然のように使われたSLのがC56-160号機で、8月1日から7日までの7日連続で運転されることになったが、この「SL大和路号」は、8月1日からの本番を前に、7月27日から連日、試運転が行われた。

当時、在学していた大阪にある大学への行き帰りで京都から近鉄に乗っていたので、いつも奈良を通っていたのだが、たまたま、夏休み中にも関わらず大学へ行く用事があり、ついでに立ち寄ることにした。

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近鉄奈良駅から国鉄奈良駅まで歩いて行き、ホームに入ると、ちょうどC56がターンテーブルで転向して、機関車の付け替えを行っているところだった。

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試運転にも関わらず、「SL大和路号」のヘッドマークが掲げられていた。
 当時、梅小路機関区に所属していたSLの中で、最も活躍していたのが、このC56-160号機だった。とにかく全国各地へ「出張」していたが、国鉄からJRになって、JR西日本の管理になって以降も、JR東日本やJR東海、JR四国の路線を走ったことがある。

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バック運転も可能なように、炭水車の両側が切り落とされている独特のデザインだが、逆向け走行は速度制限があるため、実際にはあまり行われたことがない。

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写真をよく見ると、どこかのテレビ局が取材しているのが見える。

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ホームにいる乗客や、発車待ちの運転士さんも、機関車付け替えの様子を見物していた。
 珍しくSLの姿があれど、今ほど騒がれていることもなく、どこか、のんびりとした昼下がりではあった。

これまで大活躍してきたC56-160号機も、老朽化のため、この原稿を書いている2018(平成30)年5月27日の「SL北びわこ号」のけん引をもって、本線運転から引退した。
 今後は、梅小路構内での「スチーム号」の運用に専念する予定のようだ。

代わりにD51-200号機が本線運転用として復活したが、他には従来からのC57-1しかないので、願わくは、もう1両でも、本線走行が可能なSLを整備して欲しいと思う。

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