1986年2月23日(日) 阪和・紀勢線の「さよならEF58+EF15」

インターネットの無かった時代、鉄道ファンが知ることの出来る情報と言えば、毎月1回発行される雑誌と、口コミぐらいしか無かった。
 あらかじめ予定が立てられ、1ヶ月以上前に情報が公開されていれば何とか知ることが出来たが、直前に決まったような内容だと、偶然に聞いた情報か、偶然に遭遇するぐらいしか撮影のチャンスは無かった。

そんな中で、1986(昭和61)年の2月、最後までEF58とEF15の兄弟機が営業運転していた阪和・紀勢線で、そのお別れ運転が行われることとなった。
 記憶力は良い方なので、基本的に写真を見ると、その時の撮影スケジュールとか出来事を思い出せるのだが、この時のことに関しては、さよなら運転があることを直前に知ったためなのか、撮影に行ったこと自体は覚えているものの、30年経った今、その詳しい撮影スケジュールとかをよく覚えていない。

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EF58の営業運転の最終日だったのかどうか覚えていないのだが、ネガを見る限り、どうやらその日は、EF58がけん引する客車列車に乗って撮影地に向かったようだ。

どこで下車したのか分からないが、日根野駅辺りだろうか。
 待ち受けていると、EF15が「単機」でけん引するお別れ列車がやって来た。

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しかし、ヘッドマークには「EF58+EF15重連の旅」としっかり書いてある…。
 EF58はどこへ行ったんや、と心の中で呟いたのを覚えている。

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よく知らない線区ゆえ、撮影地もよく知らず、車窓から見て、この辺で撮ろうかと考えて下車したことを覚えている。でも、その具体的な場所が今となっては全く分からない。
 今度は重連で来たが、またまたEF15が先頭だった。モノクロフィルムを詰めた中望遠レンズ付きのカメラを三脚に据え、カラーリバーサルフィルムを詰めたワイドレンズのカメラを手持ちで構え、そのお別れ列車が来た一瞬に2台で撮り分けていたようだ。随分と忙しいことをしていたものだ。

EF58先頭の写真を取り逃してガッカリしながらの帰り道。
 天王寺駅に立ち寄ると、なぜかホームに鉄道ファンの物凄い人だかりがあった。見れば、大窓のEF5866号機が単機で止まっていたので、背伸びしてノーファインダーでパチリ。

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すっかり辺りは暗くなり始めていて、大阪から京都へ向かう車中では真っ暗になっていた。

鉄道関連ニュース

京都新聞の撮り鉄カメラマン“カジやん”が、1978(昭和53)年から現在に至るまで、京都を中心に日本全国で撮影した鉄道写真を紹介します。

注*掲載写真の中には、現在は地形などの変化で撮影することができない場所や、撮影対象そのものが存在しなくなったものも含まれます。必ずしも現状とは一致しませんので、あらかじめご了承ください。