1983年3月28日(月) 西国立のED16

自分の地元である関西地区では、1980年代の初め頃には、主に茶色(正確には「ぶどう色2号」)の旧型電気機関車は、その姿を殆ど見ることが出来なかった。
 青いEF58や黒いEH10は、まだ走っていたが、関東方面では数多く走っていたEF15は主に阪和・紀勢線でしか見られず、京都に住む自分は、なかなかその姿を見ることは無かった。

そんな茶色の旧型電気機関車も、当時の関東方面では複数の型が走っていた。
 東京都の青梅線を中心とした線区では、主に石灰石輸送用に小型のED16が長く活躍していたが、そのED16もかつては関西の阪和線で走っていたという。

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ED16は、全機18両が立川機関区に集中配置されていたが、1983(昭和58)年3月のさよなら運転をもって、活躍の舞台を失った。
 立川機関区は南武線の西国立駅に隣接しており、ホームから機関区を眺めることが出来た。
 1983年3月28日に、西国立駅を訪れると、隣の機関区には役目を終えたED16がずらりと並んでいた。

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今にも動き出しそうなのも当たり前で、ほんの1週間、2週間前までバリバリに活躍していたのである。

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とはいえ、すらりと並んでいるにも関わらず、ただの1両もパンタグラフが上がってなかったのが、いかにも役目を終えた感を演出している気がした。

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戦前に製造され、長いもので53年も使われたとはいえ、活躍の場を与えれば、まだまだ使えそうな感じがしたのは、それだけ手入れが行き届いていたからだろう。
 車体に錆が浮かんでいることもなく、まだ艶があった。

18両の仲間のうち、現在、2両が保存されている。確率から言えば良い方だろうか。

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帰り道、立川駅で、ED16に代わって石灰石輸送に従事したEF15の姿が見られた。
 しかし、そのEF15もすぐに置き換えられ、姿を消していった。

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