1982年8月19日(木) 上田交通の丸窓電車

自分が中学~高校生だった1980年代の頃、自宅の近くを走る叡山電車には、昭和初期に製造されたデナ21形という「名物電車」の人気が高く、日本全国から写真を撮りに来るファンの姿があった。

同じように、その当時、昭和初期に製造された「名物電車」が走る路線として有名だったのが長野県の上田交通だった。
 ここには通称「丸窓電車(モハ5250形)」が走っていて、その名の通り、ドア横に丸い窓があることで知られていた。

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1982(昭和57)年の夏休み、鈍行列車だったら日本全国どこへでも行ける「青春18きっぷ」を使い、京都から始発電車に乗って出掛けた。
 名古屋から中央西線に乗り、塩尻から中央東線へ。その道中、最も好きな電車だった80系に出会ったり、まだ当時は活躍していた荷物電車や荷物列車の姿も見かけた。

国鉄上田駅で下車し、ようやく上田交通に乗り換える。
 待っていたのは丸窓電車ではなかったが、それに乗って終点の別所温泉駅へ向かう。

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別所温泉駅は、見るからに特徴的な駅舎が印象的だったが、その姿は35年近く経った今も(駅舎入り口に自販機が設置されたり、写真左の改札口が無くなった以外は)何ら変わっていないようだ。
 ここで、ようやく丸窓電車と初対面した。

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叡山電車のデナ21形と同じ「匂い」がしたが、全体的な印象は、ちょっとくたびれた感じだった。
 同じローカル私鉄でも車両の状態は千差万別である。自分にとって身近な叡山電車は比較的、綺麗に保たれていた方だったから、それと単純に比較するのは可哀想かもしれないとも思えた。

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モハ5250形の丸窓は、外観上は傷みが感じられたが、車内に入って見ると、ニス塗りの木目が美しく、その印象は全く違うものだった。

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平日の昼間でお客さんの数は少なく、真夏にエアコンも無い車両だったが、いざ走り始めると、空いている窓から心地良い風が吹き抜けていった。

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