貝殻かぶる?カイカムリ



その気配なし、ごはん時間だけ元気

カイカムリ
京都水族館の「えび・かに」エリアに、カイカムリというカニがいます。

丸みを帯(お)びた甲羅(こうら)が特徴的で全長は10センチ前後になり、カニの仲間ですが全身に短毛(たんもう)が生えていて、触(さわ)ると非常に滑(なめ)らかな触り心地をしています。殻(から)をかぶることからカイカムリと名づけられ、外敵から見つかりにくくするためのカムフラージュだと言われています。

しかし、京都水族館で展示している個体は何もかぶってはいません。水族館にやってきたときも貝殻はかぶっておらず、水槽(すいそう)に手ごろなサイズの貝殻を入れてあげてもかぶってくれません。実は自然界では貝殻をかぶることは少なくカイメンやホヤの仲間をかぶることの方が多いようで、元々はカイメンなどをかぶっていたのかもしれません。

普段は身を潜(ひそ)めるようにじっとしていることが多いのですが、ごはんの時間になるとそのようすは一変。魚の切り身やエビを入れると活発になり一生懸命(けんめい)に探し始めます。目の前や真下にごはんがあっても興奮してなかなかハサミで捕らえられないこともあり、ついついピンセットでハサミまで持っていってあげてしまいます。その不器用さに、いったい海ではどうしていたのだろうと心配になります。

強そうな見た目とは対照的に愛らしい一面もあるカイカムリ。水槽でもカイメンなど気に入ったものをかぶらせてあげたいものですが、ひとまずは貝殻で我慢してもらえないだろうかと、まだかぶる気配のない貝殻を横目に毎日観察を続けています。