マイペースなオウムガイ



触手90本、ごはんを包み嘴へ

オウムガイ
京都水族館のバックヤードでは、「オウムガイ」といういきものを飼育(しいく)しています。

名前に「カイ」という文字が入っていますが、貝ではなくタコやイカに近い仲間です。その証拠(しょうこ)に、タコやイカと同じ「漏斗(ろうと)」と呼ばれる器官を持っているのですが、タコやイカのようにスイスイ泳ぐことはできません。漏斗から海水をピューッと出して、その反動で体を揺(ゆ)らしながらゆっくりと進むのですが、その姿がなんともかわいらしく、癒(い)やされます。

しかし、ごはんのときはまた違った一面があります。ごはんになると普段はあまり目立たない触手(しょくしゅ)が大活躍します。約90本もあるといわれる細い触手を腕がわりに使います。殻(から)の中の触手がだんだん長く伸びてきて、大きくゆっくり開きごはんを包み込みます。そして徐々(じょじょ)に奥の方にある口へと運ばれるのですが、とがった嘴(くちばし)でちぎるように食べる姿は迫力があります。

うまく食べてくれるといいのですが、ちぎったごはんをふいにボフッと吐(は)き出したり、急に泳ぎだしてばらばらになったりと私たちを困らせることも。どうやらごはんの中でも好き嫌いがあるようで、違う種類を渡すとすんなり食べてくれる日もあります。そして満足すると、何事もなかったかのようにまたどこか居心地のいい場所を探しお休みするのでした。

展示水槽(すいそう)に登場した際には、「オウムガイ」のマイペースぶりをぜひ観察してみてくださいね。