キアンコウ



釣り名人のキアンコウ、頭フリフリ「疑似餌」に

頭の先端の部分を自在に動かして餌を狙うキアンコウ

頭の先端の部分を自在に動かして餌を狙うキアンコウ

京都水族館内の「京の海」エリアでは、アカアマダイやハモといった京都ならではのいきものを間近で見ることができます。

アンコウの仲間である「キアンコウ」も秋から冬にかけて漁獲(ぎょかく)され、あんこう鍋(なべ)などで食される京の魚です。展示しているキアンコウは、飼育スタッフが京都府北部の定置網(ていちあみ)漁船に乗船して自ら採集してきました。鋭い歯と大きな口を持ち、強そうな印象があるキアンコウですが、実はとてもデリケートな魚です。水族館に運ぶときにも傷をつけないよう細心(さいしん)の注意を払いました。

最近、ようやく水槽(すいそう)にも慣れてきたのか、ある特技を披露(ひろう)してくれるようになりました。その特技とは「釣り」です。餌(えさ)となる小魚をおびき寄せるため、体を砂の中に隠しながら頭の先端にある疑似餌(ぎじえ)のような部位を上手に動かします。この疑似餌の動かし方がすごいのです。上下にフリフリ動かしたり、地面をくねくね這(は)わせたり、止めたと思ったらプルプルと震(ふる)わせたり。自由自在に動く疑似餌は、まるで生きているかのようです。その華麗(かれい)なテクニックに「自分が魚だったら、絶対にだまされて食べられてしまうなぁ」と思わずにはいられませんでした。

私も趣味で疑似餌を使った釣りをするのですが、よく魚に見破られてしまい、なかなか釣ることができません。本物そっくりに疑似餌を操(あやつ)るキアンコウは、まさに釣りの先生です。キアンコウ先生、今日も上手な釣り方を教えてください。